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自由が丘SUNSET





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近頃、人を撮る事に楽しさを覚えた私は、

友達と居る時にはカメラを構えることは多かったが、

写真を撮る事を目的とし、歩き回ることは減っていたので、

せっかくだからと定期券内の自由が丘に出向いてみた。

土曜日の午前授業が終わって、家で着替えてから再び電車に乗った。

着いた時には明るかった空も30分も経たないうちに薄暗くなっていた。

「しまった。もっと早く来れば良かった。」

「昼空の下でオシャレな街を気取らせず温かい感じで撮ってみせようとしていたのに。」

私の気持ちが少し下がるのとは裏腹に、街には活気があった。

明日の祭りの前夜祭らしい。

「明日が本祭りなのにそんなに盛り上がって良いのか?」

と思うほどの賑わいがあった。

先ほどから道行く子供たちが持つ風船が気になって仕方ない。

祭りに乗じてなのか、TOMYの店員が無料で配っているようだ。

「あの風船を家に持って帰りたい。」

私は18歳になっても、そういう好奇心を忘れきれていないのだ。

しかし、午前中に退屈な授業中に思いついたプランは諦めるしか無かった。

それにしても、夜の自由が丘はカッコ良い。

お店が多いため店内の灯りや蛍光灯の看板が街を照らしている。

「ここは一つ甘えてみよう。」

そもそもオシャレな街を花や木と一緒に写して、

温かく見せようという方が、気取っている気がしてきた。

「そこにある物を風景を、そのままカメラに取り込むような気持ちで撮ろう。」


そう、直感を信じて。






「もらえますか?」

私は風船を持った女の人に声をかけた。
















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